【コラム】有期雇用契約の無期転換に向けた企業対応と労働者の悩み

労働弁護士の戸田哲です。

 

来年平成30年4月1日で、労働契約法18条の公布日の起算から5年を迎えます。

いわゆる有期雇用契約の5年間での無期転換ルールです。

有期雇用契約が無期に変わる、しかも無期転換の「権利」が労働者に与えられる。

とても大きな効果を持つ規定です。

これが本格的に発生するのが来年の春、ということで、この手の相談はとても多いです。

 

使用者側、会社側の相談は、この無期転換に対応するにはどうすればよいのか?

無期転換した場合の制度はどのように設計すればよいか、というものです。

 

反面、労働者の方からよく相談があるのは、平成30年3月末(またはそれ以前)で雇止め。

平成30年4月まで有期雇用契約を更新すると無期転換権が付与されてしまうので、その前に契約を切る、というやり方です。

これ、単純に雇止めが許されるわけではなくて、労働契約法19条の適用の可能性があります。

主幹業務を長年任され続けていた有期雇用の労働者の方であれば、「有期労働契約が更新されることについて合理的な理由」を持つことはあり得ますからね。

 

この期待をブロックするため、企業側が手を打っている一つの方法が更新上限の規定です。

更新の際、「次の更新が最後」と契約書に謳っておく、そして、更新が終わりに近づいていることを契約のたびに確認する、という方法です。

確かに更新の「期待」が無くなってしまう可能性は高くなります。

 

無期雇用労働者が増えて困ると考える企業は、この手で雇止めの策をとるわけです。

平成30年3月までの更新がラスト、という契約書の多いこと・・・

 

本来、「非正規労働者の安定」と導入したはずの制度が、かえって非正規労働者の生活の糧を奪う結果に。

何とも皮肉な現実です。

 

 

 

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