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【執筆】代表弁護士の戸田が輸送経済新聞でのコラムを掲載(第3回:運送会社での同一労働同一賃金=長澤運輸事件)

2021-08-19

弁護士法人戸田労務経営です。

代表弁護士の戸田が物流・輸送業界の専門誌である輸送経済新聞社で運送業での労務問題についてのコラムの連載についての紹介です。

運輸・物流業界の労務・法律問題に精通した企業側労務専門の弁護士として紹介されております。

輸送経済新聞8月10日号掲載の第3回は運送会社での同一労働同一賃金の考え方について取り上げました。

記事内容をご紹介します。

※紙面はこちら※

物流の労使・法律トラブル 第3回 「同一労働同一賃金とは何か③=運送会社での同一労働同一賃金・長澤運輸事件」

 今回取り上げるのは、前回と同じく、運送会社のドライバーの同一労働同一賃金が問題となった長沢運輸事件(最高裁2018年6月1日第二小法廷判決)だ。

 セメント・液化ガスなどを扱う運送会社で、バラセメントタンク車のドライバーが、正社員との待遇の差について訴えを起こした。

定年後の再雇用で待遇変化

 訴えを起こしたドライバーは60歳で定年を迎え、再雇用嘱託社員として契約社員となったが、現役の正社員時代に支給されていた基本給や各手当、賞与の支給がなくなった。

 そのため、ドライバーは同一労働同一賃金のルール違反だという主張をした(旧労働契約法20条)。

 会社の規模はそれほど大きくはないため、転勤はない。現役のドライバーも、定年後の嘱託ドライバーもタンク車を運転して運送業務を行う。

 仕事内容は全くと言っていいほど同じである。

  前回取り上げたハマキョウレックス事件では、同じ仕事に携わる非正規雇用のドライバーに対する手当の不支給の大半が不合理とされた。

 一見すると、今回も会社側に非常に厳しい判断が出されるように思われた。

 だが、そうはならなかった。長沢運輸事件では基本給を始め、住宅手当や家族手当、賞与において待遇に格差があっても、同一労働同一賃金には違反しないと判断されたのである。

 同じ業態で、同じドライバーなのに、長沢運輸事件とハマキョウレックス事件では、どうして違いが出たのか。

定年後再雇用という事情

 大きかったのは、「定年後再雇用」という事情だ。

 労使の間で労働組合を通じて、定年後再雇用の制度設計について、しっかりと協議を重ねたことも重要なポイントになった。

 同一労働同一賃金の問題は、仕事内容・責任や配置が同じかどうかという条件だけでは、違法かどうかは決まらない。「その他の事情」も重要な要素となる。

 日本での定年制度は、長期雇用や年功処遇を前提とする中で、一定の年齢での人事刷新を図るものだ。賃金コストが青天井にならないようにする目的もある。

 そのため、定年後に再雇用をする場合は、長期間雇用は通常予定されていない。

 

 だからこそ、例えば、住宅手当や家族手当のような生活費補助の手当の差があることも合理的とされている。

 正社員には幅広い世代がいるので、それぞれのライフステージで、定年後世代よりも生活費が多くかかる可能性が高いと言えるからだ。

 

 基本給も同じだ。長沢運輸では、嘱託ドライバーに対し、成果に応じた歩合給の比率を現役世代よりも格段に多くした。

 腕のよいドライバーは、年齢に関係なく売り上げを上げることができる。それまでは年功的な賃金だったところを、各ドライバーの成果に応じた給与体系に変えていくのは合理的だ

労使協議が重要な要素に

 もう一つ重要な点は、労使の話し合いである。

 裁判所は「労働者の賃金に関する労働条件のあり方について、基本的には、団体交渉などによる労使自治に委ねられるべき部分が大きい」と言う。

 要するに、賃金や労働条件を決めるのは労使協議であって、法律ではない。

 どのような待遇にするのかを綿密に話し合い、労使双方で合意できていれば、多少の待遇の違いがあっても納得のいく制度づくりはできる

まとめ

 いま、ドライバーの人材不足は深刻で、年齢層のボリュームも定年前後に偏っている。60歳を超えても能力の高いドライバーは沢山いるため、定年でドライバーを一律に切るという会社は少ないと思う。

 私が見る限り、多くの運送会社のドライバーで同一労働同一賃金が問題となるのは、この高齢者雇用についてである。

 歩合給の組み方も含め、ドライバー全体が納得のいく制度を協議することが重要だ。

 

 

 

 

 

 

 

【執筆】代表弁護士の戸田が輸送経済新聞でのコラムを掲載(第2回:運送会社での同一労働同一賃金の考え方=ハマキョウレックス事件)

2021-08-18

弁護士法人戸田労務経営です。

代表弁護士の戸田が物流・輸送業界の専門誌である輸送経済新聞社で運送業での労務問題についてのコラムの連載についての紹介です。

運輸・物流業界の労務・法律問題に精通した企業側労務専門の弁護士として紹介されております。

輸送経済新聞7月13日号掲載の第2回は運送会社での同一労働同一賃金の考え方について取り上げました。

記事内容をご紹介します。

※紙面はこちら※

物流の労務・法律トラブル第2回 「同一労働同一賃金とは何か②」~運送会社の事例=ハマキョウレックス事件

 前回は、日本での同一労働同一賃金が、正社員と非正規社員の格差是正の問題だと紹介した。今回は、日本型の同一労働同一賃金の具体的な中身について取り上げる。

 運送会社の事例としては、ハマキョウレックス事件(最高裁2018年6月1日第三小法廷判決)が有名。全国規模の運送会社で、契約期間が決まっている非正規のドライバーと、契約期間の定めがない正社員のドライバーとの待遇格差が争われた事案だ。

 非正規ドライバーには、正社員ドライバーに支給されていた無事故手当、作業手当、休職手当、通勤手当、住宅手当、皆勤手当などが一切支給されていなかった。この待遇格差が同一労働同一賃金の原則(当時の労働契約法20条)に違反するとして争われた。

考慮すべきポイントは3つ

 同一労働同一賃金を考える際に考慮すべきポイントがある。①職務の内容②人材活用の仕組み③その他の事情――の3つだ。

 ①の職務の内容というのは文字通り、仕事の内容や、責任の重さなどのこと。②の人材活用の仕組みとは、会社全体の人事の在り方として、職務内容や配置などの変更があり得るかという観点だ。

 会社によっては、正社員に対して、将来的な管理職・幹部候補を念頭に置いた出世コースを置くことがある。

 例えば、若いうちはドライバーとして現場の経験を積ませつつ、ある程度の期間を経て転勤でさまざまな現場を経験させる。経験を積んだら運行管理者としてドライバーの管理を行い、営業所長を経験させるといったことだ。

職務内容に合わせた支給を

 では、ハマキョウレックス事件ではどうだったのか。①の職務の内容については、正規も非正規も運送会社のドライバーとして差が全くなかった。

 だが、②の人材活用の仕組みの点では違った。全国規模の会社のハマキョウレックスでは、全国転勤がある正社員を想定した職務等級制度が作られていた一方で、非正規ドライバーにはそうした制度がなかった。一つの営業所でずっと働くという立場だった。

 同社としては、このように人材活用の仕組みに大きな差がある以上、各種手当の支給に差があってしかるべきだと主張したが、主張の大半が認められなかった。住宅手当以外を非正規ドライバーに支払わないことが全て違法とされた。

 理由として、判決では各手当の内容を丁寧に分析していた。

 無事故手当を例にとると、「優良ドライバーの育成や安全な輸送による顧客の信頼の獲得」を目的として支給される。

 それならば、同じ輸送の仕事を担うドライバー全員に支給することが理にかなっている。単に雇用期間が決まっているかどうかという点で支給の有無を分けるのは不当だとされてしまった。

 他も同様の理屈だ。各手当の趣旨や目的を考え、正規か非正規かで区別することにもっともな理由がなければ、ことごとく違法とされている。

 例えば作業手当。これは特定の作業を行った対価として支給される。同じ作業を行っているのであれば、正規も非正規も違いがない。

まとめ

 このように、判決では非常に厳しい判断をしている。

 そもそも運送会社のドライバーは、職務内容に差をつけにくいため、正規と非正規で手当などに差をつけるのはかなり難しいこととなる。

 賃金制度を改めて見直すことも必要である。

 

 

 

 

 

 

【メディア掲載】弁護士ドットコムニュースに戸田弁護士の記事が掲載されました(エステの予約、親族の子のお世話まで…女性社長、社員を私物化して大ひんしゅく)

2018-11-19

弁護士法人戸田労務経営の労働弁護士の戸田です。

 

弁護士ドットコムニュースの取材を受け、記事が掲載されました。

エステの予約、親族の子のお世話まで…女性社長、社員を私物化して大ひんしゅく

 

家族経営の会社なんかで結構よくある話です。

社長と社員の距離が近すぎて、社長がプライベートのことに社員を使う。

法的な労働問題としては、記事に書いたとおり「こんなの業務命令の範囲外だろ」「パワハラだろ」って話です。

何よりも社員の不満に気づかない社長が痛い。

こういうケースで、社員に不満が溜まりまくった結果、会社を恨んで意趣返し・・・そんな事件も見たことあります。

 

まず、公私混同の切り分け。

プライベートのことは自分でやる、もしくは秘書やベビーシッターさんを雇用すべきでしょう。

・・・企業側の労務管理以前の問題ですね。

【メディア掲載】弁護士ドットコムニュースに戸田弁護士の記事が掲載されました(会社のウォーターサーバー「正社員以外禁止」…派遣社員と差をつけることは違法?)

2017-11-26

労働弁護士の戸田です。

弁護士ドットコムに掲載された記事をご紹介します。

 

今回は、正規社員と非正規社員との待遇格差の問題です。

無期雇用社員と有期雇用社員の待遇格差の問題は、今年は様々な判決も出ていて、非常にホットなテーマです。

そのためか、今回の記事はYahoo!ニュースやlivedoorニュースのトップを飾るという偉業(?)を成し遂げました。

 

「会社のウォーターサーバー「正社員以外禁止」…派遣社員と差をつけることは違法?」

htps://www.bengo4.com/c_5/n_7009/

 

正社員だけ優遇される場面、「仕方ない」と思える格差もあるようですが、今回のように、ウォーターサーバーすらも使えないというのは「せこくない?」という意見が多かったように思います。

 

法律的にははっきりと違法と言い切れない部分もありますが、非正規労働者、特に派遣社員や契約社員の処遇の改善は課題です。

 

企業としても適切な対応が不可欠です。今までのように「なんとなく非正規、派遣社員、契約社員だから・・・」という対応は許されない時代になっています。

 

☑ 非正規労働者に関する解説はこちら⇒https://roudou.nishifuna-law.com/part/

☑ 派遣労働者に関する解説はこちら⇒https://roudou.nishifuna-law.com/haken/

【メディア掲載】弁護士ドットコムニュースに掲載された戸田弁護士の記事をご紹介(競業避止義務の相談)

2017-10-03

労働弁護士の戸田です。

弁護士ドットコムに掲載された記事をご紹介します。

今回は、セラピストを経営するお店からのご相談案件についてのコメントです。

 

「辞めたセラピストに常連客をとられた」サロン店長激怒、法的責任を問える?

https://www.bengo4.com/c_8/c_1838/n_5752/

 

辞めた従業員が退職した後に独立する、あとは常連客を持って行ってしまう、この手の相談は本当に多いですね。

いわゆる競業避止義務の問題です。

特に、相談のセラピストや美容師など、塾業界で深刻です。

固定客が一定のパイを取り合う業態では起こりがちなわけです。

他にも、バリバリ仕事をとっていた営業マンが、満を持して独立開業する時にも問題になる。

 

企業・使用者からすれば、お客さんをガッチリ掴む労働者抜けるだけでは無く、顧客まで持って行かれるのでは大変。

なんとか防ぎたいという思惑があるわけです。

競業避止義務は、元々会社との信頼関係に成り立っていまして、労働者が在籍中は当然に義務付けられます。

しかし、問題は退職後です。

退職後の競業避止義務は、労働者に憲法上の権利として保障された「職業選択の自由」とぶつかります。

難しい問題ですので、お悩みの際はご相談下さい。

 

☑ 競業避止義務等、競業問題に関する解説はこちら⇒https://roudou.nishifuna-law.com/tensyoku/

 

【メディア掲載】弁護士ドットコムニュースに掲載された戸田弁護士の記事をご紹介(借金をした労働者への懲戒処分)

2017-09-15

労働弁護士の戸田です。

弁護士ドットコムニュースの取材を受け、掲載された記事をご紹介します。

 

会社内での懲戒処分の具体的な事例についてコメントしました。

「職場で借金を頼みまくり、上司から3度目のおとがめ…いよいよ懲戒処分もやむなし?」

https://www.bengo4.com/c_1/li_431/

 

懲戒処分は会社内の秩序を乱したことに対する「刑罰」です。

始末書の作成だって立派な懲戒処分。実はそんなに簡単にはできません。

 

今回の事例は、職場での無心を繰り返す人・・・たまにいますよね。

そりゃジュース代の貸し借り程度であれば目くじら立てる人も少ないですが、額が大きくなったり、回数が重なってくると「なんだあいつは」と、問題も起きやすい。

職場内の人間関係悪化に直結するような金銭のやりとりがあった場合は,会社内の秩序を乱すことはあり得る。

懲戒処分もあり得るということです。

 

☑懲戒処分にお困りの労働者の方https://roudou.nishifuna-law.com/chokaisyobun/

☑懲戒処分を検討する使用者の方https://roudou.nishifuna-law.com/chokai_syobun/

 

 

 

【メディア掲載】弁護士ドットコムニュース掲載の戸田弁護士の記事をご紹介(社内行事と労災・労働時間の問題について)

2017-09-13

労働弁護士の戸田です。

少し前の記事ですが、弁護士ドットコムニュースに掲載された記事をご紹介致します。

 

「会社のサークルでツーリングしたら「熱中症」にかかり欠勤…「補償」はどうなる?」

https://www.bengo4.com/c_5/c_1626/n_5096/

 

軽く補足します。会社のサークルもそうですが、社内行事についてもこれが「労働時間」と評価されるかどうかの問題があります。

 

裁判例は、次のような基準で判断しています(前橋地裁昭和50年6月24日判決)。

 

【社内行事が労働時間に該当するかどうかの判断要素】

①参加が任意であるか

 自由参加なら労働時間には該当しにくい。

②使用者の費用負担か

 使用者が出張旅費などとして費用負担をしていれば、断りづらいので労働時間になりやすい。

③事業運営上緊要か

 事業運営の中でどうしても必要だというのでれば、業務性が高く、労働時間になりやすい。

④使用者の積極的特命によるか

 使用者が「どうしても行ってこい!」と強く特命すれば、業務の可能性大で、労働時間になりやすいですね。

 

なかなか割り切るのは難しいですが、自由参加の社員旅行が「労働時間」として判断されるケースはそこまで多くないかも。

お悩みの際はご相談下さい。

 

労働時間についてお悩みの労働者の方https://roudou.nishifuna-law.com/service_zangyo/

労働時間管理にお悩みの使用者の方https://roudou.nishifuna-law.com/zikan_kanri/

 

【メディア掲載】弁護士ドットコムニュースに戸田弁護士の記事が掲載されました(給与天引きされた懇親会費の返金要求について)

2017-09-08

労働弁護士の戸田です。

弁護士ドットコムニュースから取材を受けて、記事が掲載されました。

 

「給与天引きの親睦会費で男性社員が「風俗」遊び…不満抱く女性社員、返金要求は可能?」

https://www.bengo4.com/c_5/n_6582/

 

懇親会費の天引きの問題は、非常に身近な労働問題です。

労働者の方にとっては、意味も分からず天引きされることについて不満を持たれることが多いです。

賃金の全額払いの原則の例外になるものですから、当然といえば当然。

 

使用者側としても、その内容については十分に周知・説明しておくのが望ましいです。

できれば何らかのルール作りもやってもらえるといいですね。

 

賃金問題にお悩みの方https://roudou.nishifuna-law.com/mibarai_chingin/