Archive for the ‘同一労働同一賃金’ Category

派遣労働者も派遣先正社員と同じに扱え!(派遣法同一労働同一賃金ガイドラインたたき台)

2018-09-15

労働弁護士の戸田です。(船橋市・西船橋法律事務所)

 

今日もまたも同一労働同一賃金についてです。

今回は派遣労働者について。インパクト大なお話です。

9月10日、厚生労働省から派遣労働者についての同一労働同一賃金ガイドラインたたき台も出されましたね。

https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000351609.pdf

 

いよいよ派遣労働者も派遣先の社員さんと完全に同じ待遇をしないとダメな時代が到来?

派遣はウォーターサーバー禁止!ってなせこいことはできんことになる?)

 

数年前、派遣労働者の同一労働同一賃金ガイドライン案が出たときは、

「こんなんホントに実現すんのか」

という冷ややかな目も結構あったと思うのですが、いよいよです。

 

今回の派遣法改正、これ結構衝撃的なんですよ。

 

でも、なぜかあんまり報道されてないですよね。。。

派遣労働者と派遣先企業の正社員の待遇を一緒にしろ!(同一労働同一賃金!)

ってかなりのインパクトだと思うのですが。。。

今までの発想ではありえなかったことですよね。

 

さて、改正派遣法について、少し説明しておきます。

実は、この同一労働同一賃金ルールには例外(抜け穴?)もありますので、注意が必要です。

 

改正労働者派遣法30条の3第1項(原則:派遣先均等・均衡方式)

改正労働者派遣法は、派遣先正社員と派遣社員との待遇を均等・均衡にする必要があると定めました。

さっきのガイドラインたたき台で、いろんな待遇について細かく「同一にしなさい」と言っているのはこの原則ルール。

派遣さんの同一労働同一賃金です。

 

で、その前提として、派遣先の情報提供義務があります。これがミソ。

つまり、

派遣元は派遣先に派遣先正社員の賃金等を含めた情報を教えてもらわないといけない! 

教えてもらえないと派遣契約を結べない!

 

これ、派遣先企業の立場からしてみれば、派遣元会社に自社の社員の待遇を教えないとダメなわけで、

結構抵抗のあるルールだと思います。

何も知らない派遣先企業は「何言ってんだ、そんなもん教えるか!」と断りそうな気がする。

 

改正労働者派遣法30条の4(例外)労使協定方式

ということで、実は例外のルールがあるんです。

 

それがこの労使協定方式。

つまり、派遣元企業は、以下の労使協定を結んで、実際に遵守・実施すればよい。

それで派遣先との均等・均等待遇のルール(原則)は適用されない。ということです。

 

(労使協定の内容)

①賃金額が同種業務の一般労働者の平均的な賃金額以上であること

②法定の教育訓練を実施し、職務内容・成果・能力等を公正に評価し、賃金を改善させること

③賃金以外の待遇について派遣元事業主の通常の労働者と不合理な待遇格差を設けていないこと

 

要は、「派遣元企業の方で、しっかりと派遣社員についての同一労働同一賃金を守る」という労使協定です。

 

情報提供義務が結構なネックになることが予想されますので、大半の派遣会社は、この労使協定方式を採用しないと業務が成り立たないのではないのでしょうか。

「うちは労使協定をしっかり守っていますので、御社(派遣先企業)にはご迷惑おかけしません」みたいな。

 

今後、派遣元企業も派遣先企業どちらも、このルールを前提に対応が必須ですね。

 

【セミナー情報】2018年9月11日、社労士向け労働問題研究会「最高裁判例を踏まえた同一労働同一賃金への対応方法」を開催しました

2018-09-12

千葉、船橋の労働弁護士の戸田です(西船橋法律事務所)。

9月11日、平成30年度の西船橋法律事務所主催の社会保険労務士の先生方向けセミナー「労働問題研究会」の特別編の開催です。

@船橋(船橋ツインビルレンタル会議室)

今回も、千葉県内の船橋支部、千葉支部、東葛支部(松戸、柏など)、北総支部(成田など)千葉県全域の社労士の先生方に参加いただきました。

テーマは、「最高裁判決を踏まえた「同一労働同一賃金」への対応方法

同一労働同一賃金、今熱すぎるホットテーマですね。

ハマキョウレックス事件最高裁判決、長澤運輸事件最高裁判決の分析解説を皮切りに、8月30日に出された同一労働同一賃金ガイドラインたたき台も徹底検討したなんと4時間にもわたる濃密な講義となりました。

 

今回は第二部座談会も行い、徹底討論も行いました。

・同一労働同一賃金を踏まえてどのように就業規則を変更するのか、

・「パート」の概念やくくりをどうするか

・期間雇用労働者の「昇給」がない、と規定することは同一労働同一賃金から問題があるのか?

などなど、話は尽きませんでした。

 

ご参加いただいた先生方、ありがとうございました!

いつもどおり講義内容の概要をまとめます。

 

第1章 同一労働同一賃金の概要

1       事例

弁護士ドットコムの掲載記事

非正規の社員はウォーターサーバー使用禁止

2       同一労働同一賃金の議論状況

3       非正規雇用者との待遇格差

4       現在の議論状況

・働き方改革関連法(資料参照)

・平成30830日発表の同一労働同一賃金ガイドライン指針原案

5       価値観の改革の必要性

・改正は待った無し。同一労働同一賃金への対応はいますぐ!

・今までの就業規則ではダメ(パートタイム就業規則の例)

 

章  長澤運輸事件・ハマキョウレックス事件最高裁判決の解説

同一労働同一賃金の議論は、ハマキョウレックス事件と長澤運輸事件の最高裁判決によって大きく動く。労働契約法20条に関しての初の最高裁判断。

有期雇用労働者と無期雇用労働者との待遇について均衡待遇を要請した規定。

1 ハマキョウレックス事件

判決の4つのポイント

労務管理への活かし方

 

2 長澤運輸事件

判決の4つのポイント

労務管理への活かし方

 

章 今後予想される非正規雇用労働者についての労務トラブル

1       労務トラブルのリスクについて

2 在職中の期間雇用労働者・パートタイム労働者からの賃金請求

  同一労働同一賃金に関して将来の待遇改善も含めて対応が必要

3 退職後の期間雇用労働者・パートタイム労働者からの賃金請求

  無期転換・更新上限雇い止め等の違法性を訴える地位確認にくっついて請求されることもありえる!

 

第4 企業・社労士が行っておくべき同一労働同一賃金対応のまとめ

1 同一労働同一賃金はいつから準備するべきか

2 企業・社労士が同一労働同一賃金対応に向けていますぐやるべきこと

 現状の把握

② 企業の方向性を検討

③ 具体的な制度設計を検討(業務内容の整理)

3 同一労働同一賃金ガイドラインの熟読・対応は必須

同一労働同一賃金ガイドライン案(830日たたき台案)の内容分析(手当ごとの待遇検討・水町参照)

4 賃金制度の見直し

・就業規則(パートタイム就業規則、期間雇用就業規則)の整備

・同一労働同一賃金に関する説明書・説明会の実施

 

第2部 同一労働同一賃金座談会

【速報】同一労働同一賃金ガイドラインのたたき台(平成30年8月30日労働政策審議会より)

2018-08-31

西船橋法律事務所(船橋市)の労働弁護士の戸田です。

 

今年6月1日に出た、ハマキョウレックス事件・長澤運輸事件の両最高裁判決により、同一労働同一賃金のテーマが一気に世間で脚光を浴びています。

 

働き方改革関連法が成立し、労働契約法20条は廃止され、「パートタイム・有期雇用労働法」によって、従前非正規雇用といわれていた方との待遇格差が定められることも決まりました。

2020年4月1日施行ですが、時間はありません。(中小企業は2021年4月1日)

もう待ったなし。

同一労働同一賃金についての即座の対応が必要です。

 

注目されるのは、平成28年12月20日付で公表された「同一労働同一賃金ガイドライン案」がどうなるかです。

ハマキョウレックス事件最高裁判決は、この「同一労働同一賃金ガイドライン案」を大いに参考にしています。

今後、この同一労働同一賃金ガイドライン案」は、パートタイム・有期雇用労働法の指針に成り代わっていくことが予定されていますので、正に同一労働同一賃金の実務ルールとなるものです

 

このガイドラインの正式な公表が待たれるなか、先日8月30日の労働政策審議会で「同一労働同一賃金ガイドラインのたたき台(短時間・有期雇用労働者に関する部分)」ができました。

たたき台なので、変更の可能性はありますが、この内容をベースにガイドラインができあがっていくことが予想され、極めて重要です。

リンク「同一労働同一賃金ガイドラインたたき台

 

基本的には、上記のハマキョウレックス事件・長澤運輸事件の最高裁判決を受けて、記載が修正されています。

今後、待遇格差を是正するために企業は色々な対応をとらなければならないところですが、是正の方策の取り方についても言及があります。

「同一労働同一賃金の目的 に鑑み れば 、事業主が通常の労働者と短時間・有 期雇用労働者等との 間の不合理な待遇の相違等を解消するに当たっては、基本的に、各事業主の労使で合意することなく通常の労働働 者の待遇を引き下げることは、望ましい対応とはいえないことに留 意すべきである 。」(上記平成30年8月30日労働政策審議会・資料「同一労働同一賃金ガイドラインのたたき台(短時間・有期雇用労働者に関する部分)」)

 

これは、例えば、「正規労働者(通常の労働者)の待遇を引き下げてしまえば格差の是正になる!」と安易な対応をするなよ、という方針の確認です。

対応としては色々な切り口がありますが、詳細はまた後ほど。

 

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