2024年03月28日
80時間を予定する長時間見込みの固定残業代は無効か!?
最近、「初任給40万円」を打ち出したアパレル会社が話題になりました。実はこの40万円のうち、17万2000円分は月80時間の固定残業代だということで、「月80時間の時間外労働を予定する固定残業代は過労死基準で無効だ」とSNS等で話題になりました。この指摘は、主に労働者側の弁護士、労働組合からされていたものなのですが、果たしてそうなのでしょうか。確かに最近、労働者からの残業代請求の中で、「長時間予定...
2023年09月28日
適格性判断のための有期雇用契約は試用期間(実質無期雇用)となるか?
(明治安田生命保険事件・東京地裁令和5年2月8日判決)労働者を新規採用する際、その適性を見るために、無期ではなく一定期間の有期雇用契約を締結することがあります。適性判断のためには試用期間を設けることが多いのですが、試用期間は無期契約が前提です。ただ、試用期間中に「適性が無い」と判断して本採用拒否をしようとしても、これは解雇と同じ法規制が適用され、簡単には行えません。※参考 「試用期間の労働者の対応...
2023年06月15日
労務専門のセカンド顧問弁護士
セカンド顧問弁護士は、現在の顧問弁護士とは別に、特定の法律問題や部署ごとのお悩みに解決するなど、「二人目の顧問弁護士」として契約する弁護士のことです。弁護士にも数ある法的課題において専門分野・得意分野があります。既存の顧問弁護士が経験の少ない法的課題が発生することもあります。そのような場合、経験のある弁護士をセカンド顧問とすることで、正しくスピードも早く解決することができます。セカンド顧問弁護士を...
2022年09月05日
会社退任後の非常勤役員(顧問・アドバイザー)は社会保険に加入する必要があるか
弊社では、これまで長く役員を務めていた役員の方について、会社を退任した後は非常勤の顧問的な立場で勤務してもらう予定です。勤務は週に1、2日でして、他の仕事も兼務してもらう予定です。悩んでいるのは社会保険に加入する必要があるかどうか、という点ですが、いかがでしょうか。ご相談のように、会社退任後に非常勤での顧問的な立場で関与してもらうことがありますね。代表者や役員が社会保険に加入するべきかについて、「...
2021年06月21日
新型コロナワクチン接種に関する会社・企業の対応Q&A~No2
弁護法人戸田労務経営です。最近新型コロナウイルスのワクチン接種でよくあるご質問について、弊所所属の産業医兼務の竹口弁護士の知見も踏まえてまとめた後編になります。※ワークウェア社労士法人様との共同監修です。※No1はこちらA4:労働者の自由意思による接種である以上、業務とは無関係と評価されますので、通常は労災扱いにはなりません。ただし、医療事務従事者や高齢者施設等従事者は労災保険給付の対象となります...
2021年06月21日
新型コロナワクチン接種に関する会社・企業の対応Q&A~No1
弁護法人戸田労務経営です。最近新型コロナウイルスのワクチン接種でよくあるご質問について、弊所所属の産業医兼務の竹口弁護士の知見も踏まえてまとめました。※ワークウェア社労士法人様との共同監修です。※No2はこちらA1:予防接種法第8条及び第9条より「市町村長及び都道府県知事が・・・臨時の予防接種を受けることを勧奨し、・・・対象者は受けるように努めなければならない」という行政の勧奨の上での国民の努力義...
2021年06月09日
2021年4月高年法改正:70歳までの定年延長・定年後再雇用の対応は必要か?
弁護士法人戸田労務経営(西船橋法律事務所)の代表の戸田でございます。2021年4月に高年齢者雇用安定法が改正され、さらに高齢者の雇用拡大となりました。 本記事では、2021年4月改正高齢者雇用安定法を踏まえての高齢者雇用の考え方を整理します。(1)65歳までの雇用継続措置を採るべき義務これは、2021年改正よりも前から対応しなければならない点です。高年齢者雇用安定法で65歳までの雇用継続は法的義務...
2021年02月17日
旅館・ホテルは新型コロナウイルス感染の疑いがある宿泊客の宿泊を拒否できるか?
弁護士法人戸田労務経営です。2月16日、千葉県中小企業団体中央会主催で、千葉県内の旅館・ホテル業の企業向けの研修を担当しました。「新型コロナ禍を乗り切る!企業の労務・法務対応」というタイトルです。旅館・ホテル業界は今非常に厳しい状況にありますが、何とかこの危機を乗り切っていただきたいと思っています。さて、その中で話題になったのは、やはり感染者・感染疑いの方への対応でした。【質問】【回答】単に、体調...
2021年01月06日
取締役の労務管理について(労働者該当性)
当社は派遣業を営んでおります。最近残業代トラブルが多いので、従業員を役員に就任させて、雇用保険の資格喪失手続を行おうと思っています。これで残業代トラブルは回避できるのではないでしょうか。ただ、この従業員には引き続き派遣労働者として派遣先で勤務してもらう予定です。たとえば残業代請求事件は、労働時間規制や時間外割増賃金について規定する労働基準法の適用があるからこそ生じるものです。取締役などの役員は会社...
2020年04月06日
緊急事態宣言に伴う企業の労務対応(休業手当を払うべきか?)
当社は都内と千葉県内で多数の学習塾を経営する企業なのですが、緊急事態宣言が発令されると学習塾も休止要請の対象になってしまいます。さすがにこれを無視するわけにはいかないため、全教室休校としました。一部の事務職員を除いて在宅勤務も困難でして、基本的には休業するしかありません。ただ、この宣言がいつまで続くのかもわかりません。当社の売上も激減してしまうところですが、従業員への休業手当・休業補償はどうすれば...