長年勤めて培った人脈とノウハウを活かして、新しい会社を立ち上げて起業に挑戦する。
優秀な能力と顧客からの幅広い信頼関係があってこそのことで、素晴らしいチャレンジだと思います。
しかし、こうした優秀な方だからこそ、在籍していた元企業はその人材流出を脅威に感じることは必然です。
そこで、元企業側は、就業規則や入社時に、退職後の競業行為を禁止するような内容を取り決めていたりすることがあります。退職の時点で、「今後●年間は、御社の所在する地域内で競業する事業を営みません」などという誓約書の取り交わしを迫ってきたりすることもしばしばです。
仮にこうした競業避止義務に違反して独立・起業を進めてしまいますと、以下のような請求をされることがあります。
開業行為自体が差し止めとなることは稀ではありますが、事案によって一定期間の営業行為が禁じられることは考えられます。
競業によって顧客を奪ってしまったとすれば、元企業に損害が発生することがあります。ここで発生した損害についての賠償請求を起こされる事案はしばしば見られるところです。
独立準備をするとしても、在職中に独立開業の準備を行うことは競業避止義務違反の問題が生じることがあり、慎重に準備を行う必要があります。上記のような書面を迫られた場合にも、安易に署名せずにしっかりと進めていく必要があるでしょう。
元企業との円満な退職を考えつつ、仮に元企業から競業避止義務違反だと問われた際の準備は必須です。
ポイントは以下の点を固めつつ、冷静に対応することです。
① 開業準備について競業避止義務違反など法的な問題はないか
② 競業避止義務契約に関する書面チェック
③ 競業のトラブルになった際にも焦らず冷静に対応すること
④ むしろ在籍中の不遇な対応についての反訴的なカウンターパンチはないか?
上記の準備をしっかりしつつ対応すれば、先方も請求を諦める事案が多いです。
独立・起業は競業問題を回避して終わりではなく、むしろスタートです。
以下のようなさまざまな準備を行なっていく必要があります。
弁護士法人戸田労務経営での労務応援コンサルティング+企業法務サポートにより、体制作りについても全面的にフォローが可能です。
特に、パート・アルバイトを1人でも雇用すると、労災保険や雇用保険の加入が義務付けられることをご存じでしょうか。
また、創業形態として「法人設立」の場合、経営者のみや家族従事者のみの会社であっても社会保険への加入が義務です。
労災保険に未加入のまま労災事故が発生した場合、十分な補償が受けられない可能性があります。通勤災害のリスクも考慮しなければなりません。
また、社会保険に未加入だと職業安定所(ハローワーク)での求人に制約が生じることもあります。
弁護士法人戸田労務経営では、独立起業において生じる競業問題について対応を相当数行っています。競業問題への不安を解消し、開業後の法務・労務整備などまで、一連の総合サポートをいたします。
これまで、労務問題についての専門事務所として多くの独立開業・競業問題対応に取り組んできました。
労務の手続等、社会保険労務士業務も包摂した労務、企業法務の融合した労務対応ができるのは弁護士法人戸田労務経営だけの強みです。
独立準備に向けてのアドバイス、競業の問題が発生しないような契約書・就業規則・誓約書等のチェックを行います。
独立開業後のビジネス理解をしつつ、労務・法務的な観点を踏まえた整備を実施します。数々の顧問先の支援を行ってきた弁護士と社労士が、ビジネスパートナーとしての相談役としても対応します。
従業員雇用のステージとなれば、労働保険・社保手続から始まり、雇用契約書の整備や規則の制定までフォローします。
万が一、前職の会社から「競業違反だ」と請求されたり訴えられた場合でも、即座に対応いたします。
労務応援コンサルティングとは?
労務応援コンサルティングは、弁護士法人戸田労務経営オリジナルの顧問契約サービスです。
弁護士法人戸田労務経営では、顧問契約のC・B・A・S・SSの各プランに応じて、労務の各ステージに応じた顧問サービスを行っています。
他の「労務応援コンサルティング」はこちらをご覧下さい。
創業後の労務管理を全面的にお手伝いいたします。
独立開業をして会社を立ち上げた運送会社の方が、元会社から「顧客の引き抜きだ」と賠償請求を警告されていたところに、独立支援労務コンサルティングを実践しました。
元勤務先から訴えられるような競業違反はないとして弁護士が毅然と対応をして請求をブロックすることで、安心して事業を軌道に乗せることができました。人材雇用について労働保険の整備・雇用契約書の整備をからスタート、就業規則も整備しました。
ビジネスも軌道に乗り、ビジネス法務のサポートまでを実践し、今や従業員が不足するほどの依頼を受けて順調に企業発展をしています。
地域は別であるものの、同業種の会社を立ち上げて独立したところ、元勤務先から多額の賠償請求を受けた事案において、競業トラブル対応サポートで対応しました。
競業避止義務違反の賠償請求が認められるための三要素を丁寧に論証し、訴訟において裁判官が当方勝訴の心証を抱いたことにより、相手の請求をほぼ排斥し、勝訴的和解を勝ち取った事例です。開業後の法務サポートによって企業のスタートアップをフォローしました。
近隣に同種業態の事業を開業した方が、元勤務先から開業の差し止め請求(仮処分申立て)を受けた事例において、競業トラブルサポートによる対応を行いました。
差し止めというのは職業選択の自由の侵害の程度が高いことから、種々の事情について主張して闘い、仮処分手続において和解が成立しました。開業の全面差し止めを回避し、無事に事業を継続することができた事案です。