2025年07月31日
代表弁護士の戸田が『ビジネスガイド』(2025年1月号)に寄稿
代表弁護士の戸田が、企業の総務・人事の実務担当者、社会保険労務士や弁護士等を読者対象とした雑誌『ビジネスガイド』(2025年1月号)に記事を寄稿しました。夜勤勤務における休憩・仮眠・待機時間の労働時間の考え方や判断、そしてその際の賃金設計の考え方について、戸田が代理人を務めた社会福祉法人A会事件(東京高裁令和6年7月4日)を踏まえて詳細に解説しました。...
2025年07月04日
労働組合からの団体交渉、争議行為に対応しつつ、最終的には労働審判で適切な紛争解決に持ち込んだ事案
相談者は学校法人で、雇止めをした元教員から、雇止めが違法であること、在職中に未払い残業代があること等を主張し、加入した外部の労働組合を通じて団体交渉を要求されました。かなり激しい要求をしてくる労働組合でしたので、団体交渉の対応はかなり苦慮しました。毎回団体交渉前に打合せをして準備を行い、安易な妥協をせず、長期の団体交渉を耐え抜いた形です。争議行為も実行されましたが、これについても毅然と対応しました...
2025年06月20日
未払残業代(時間外労働、休日労働の賃金)を請求したい方へ
私は毎日朝から出社して、夜遅くまで会社で残業をしています。会社の所定労働時間は9:00~17:00の休憩1時間で、7時間勤務なのですが、1日平均10時間は働いていると思います。「君には期待しているから残業もがんばってくれ」とハッパをかけられているので、仕事を終わらせずに家に帰るわけにもいきません。休日も月に2~3日とれるかどうかです。最近子供も産まれたばかりなので、はっきり言ってもう残業はしたくあ...
2025年06月05日
夜勤の労働時間制度の改革に成功した事例
福祉施設の夜勤の時間帯の勤務について、制度設計が不十分であったことから、実際に勤務していた職員から残業代請求をされ、紛争が激化していました。その紛争対応と、夜勤体制の労務体制の改善、残業代未払いなどが起こらないための制度設計をご依頼いただきました。まず、訴訟になっていたものについては代理人として対応しました。この事件の判決は夜勤帯の制度設計について、世間的にも注目されるものとなり、その後の夜勤制度...
2025年05月05日
数多くの請求を含む労働審判において裁判所を味方にして、勝訴的和解に持ち込んだ事案
時折、労働者からは、色々な請求が持ち込まれることがあります。残業代、職場内でのパワハラ、未払手当などを含め、7~8項目もの請求をされた労働審判に対応しました。非常に多くの請求をされた事案でしたが、大半が法的根拠のないものであるとして答弁書において適切な反論を行い、労働審判においては、真に問題となるべき争点に絞った議論を行いました。裁判官と労働審判員は、「会社の答弁書は非常にわかりやすい」と、会社の...
2025年05月02日
複数労働者の残業代請求を有効な固定残業制度主張で負担を最小限に抑えた事案
運送業を営む企業で、ドライバーから次々と残業代請求を受けるという課題が続いていました。依頼を受け、残業代の請求が相次ぐ中で、有効な固定残業代制度の設計についての主張を行い、最終的には企業の負担を最小限にとどめることができた事案です。訴訟になる前の請求をした従業員に対しては、固定残業代の制度の主張をすることで請求を取り下げさせることができ、その他労働審判や訴訟になった案件もありましたが、いずれも固定...
2024年09月20日
社会福祉法人A事件高裁判決の意義(東京高裁令和6年7月4日)~不活動時間管理の実務に活きる賃金設定の基準とは
私が代理人を務める社会福祉法人A事件(千葉地裁令和5年6月9日判決)について、控訴審判決が出されました(東京高裁令和6年7月4日判決)。この事件は、夜勤時間帯の不活動時間(いわゆる待機時間)について未払残業代が請求された事件です。事案内容・地裁判決の詳細はこちら地裁判決では、夜勤時間帯の未払賃金の計算は、6000円の夜勤手当を基礎として、1時間の賃金単価は750円となるとした上、この賃金単価が最低...
2024年06月12日
8月6日開催!「不活動時間・待機時間等の労働時間管理の実務」オンラインセミナーのご案内
弁護士法人戸田労務経営です。令和6年8月6日(火)に、弊所代表弁護士による「不活動時間・待機時間等の労働時間管理の実務」セミナーを企画しましたので、ご案内申し上げます。当法人は使用者側の弁護士や社労士が所属しており、千葉県内を中心とした100社近くの顧問弁護士を務め、数多くの使用者側労働問題への対応や労務環境改善に取り組んでおります。また、多くの企業様に労働法の知識を届けたいという思いから労務セミ...
2024年03月28日
80時間を予定する長時間見込みの固定残業代は無効か!?
最近、「初任給40万円」を打ち出したアパレル会社が話題になりました。実はこの40万円のうち、17万2000円分は月80時間の固定残業代だということで、「月80時間の時間外労働を予定する固定残業代は過労死基準で無効だ」とSNS等で話題になりました。この指摘は、主に労働者側の弁護士、労働組合からされていたものなのですが、果たしてそうなのでしょうか。確かに最近、労働者からの残業代請求の中で、「長時間予定...
2023年12月11日
夜勤等の不活動時間の賃金制度の在り方を考える(残業代単価を日中とは異なる単価で計算した千葉地裁令和5年6月9日判決)
今回は、夜勤等の不活動時間についての賃金制度がどうあるべきかを考えます。最近私が法人側を担当した事件で、夜勤の不活動時間(夜勤時間帯)の賃金の考え方について、少し面白い判断をしたものがあります。この判決では、夜勤時間の労働時間について、その残業代計算の基礎単価について夜勤手当を基準として算定するべきとされました。これは最低賃金を下回る水準なのですが、それも違法とはならないとの判断です(千葉地裁令和...