【相談内容】
我が社では、成績不良の従業員を解雇したところ、「解雇が不当であるため、復職を求める」との内容の内容証明が届きました。
これを無視していたところ、裁判所から仮処分申立書が送られてきました。
仮処分に続いて民事訴訟の提起も予定するとのことですが、我が社はどうなってしまうのでしょうか。
POINT
従業員から仮処分や民事訴訟を起こされた場合は直ちに弁護士に相談してください!
相談が特に多い業種(産業別)
☑建設業 ☑製造業 ☑情報通信業 ☑運輸・郵便業(トラック運送業)
☑卸売・小売業 ☑金融業・保険業 ☑不動産・物品賃貸業
☑宿泊・飲食業(ホテル・飲食店等) ☑教育・学習支援(塾・予備校等)
☑医療・介護福祉業 ☑サービス業
※従業員から民事訴訟、仮処分などを起こされ、従業員から訴えられることはどの業種でも問題になるトラブルです!
1 従業員からの仮処分、民事訴訟は労使トラブルの最終段階
従業員との労使トラブルにはいくつかの段階があります。
社内での不満の打ち明けがされ、社内協議を行う場面、内容証明を送られて請求を受ける場面、あっせんを申請される場面の段階を経て、徐々に労使トラブルが成熟化していきます。
そして、従業員から仮処分、民事訴訟が起こされるのは、労使トラブルがこじれにこじれた最終段階と言っても過言ではありません。
この段階は、労使トラブルの三大リスクである、①経済的リスク、②人的リスク、③名誉と信用低下のリスクが最も高まっているとも言えます。
⇒詳細は「労使トラブルを未然に防ぐには」
2 従業員から仮処分を起こされた場合の対応
仮処分は、本訴訟前の暫定的な処分と言われます。
従業員が解雇・退職勧奨・雇い止めをされた場合等に、早急に賃金の仮払いを求めつつ、労働者としての仮の地位を確認するために申し立てられる手続です。
仮処分は、労働者の権利を早急に回復するために、迅速に手続が進行します。
2週間~3週間に1回程度のペースで期日となることもざらです。
このペースで都度反論の書面と証拠を準備していくことは相当に大変な作業です。
3 従業員から民事訴訟を起こされた場合の対応
民事訴訟は、誤解を恐れずに言えば、時間をかけて白黒付ける手続です。
労働者が民事訴訟を選択する場面は、話し合いによる解決よりも、裁判所による判断を求めようとしてなされるケースが多いです。
そのため、安易な対応は禁物です。
1~2年程度かけて対応していく必要がありますが、その都度適切な反論書面と証拠を提出していく必要があります。
4 仮処分・民事訴訟でも早期適切な解決を目指す
仮処分・民事訴訟を起こされたからと言って焦る必要はありません。
これらの手続の中でも和解によって労使トラブルを解決することが可能だからです。
仮処分・民事訴訟の手続の中でも大半が和解(つまり話し合い)で解決しています
仮処分・民事訴訟と言っても、適切な時期の解決を目指すことが重要です。
あまりに態度を硬直化させ、解決期間を長期化させると、労使トラブルによるコスト・リスクがさらに増大します。
つまり、訴訟によって解決が長引くことにより、たとえば解雇に伴う解決金が莫大なものになります(①経済的リスクの増大)。
また、民事訴訟の最終段階になると証人尋問で出頭する②人的負担リスクが更に増えますし、さらには、特に判決になれば、「(社名)事件」として会社名が残ってしまい、③名誉と信用低下のリスクも大きくなります。
5 従業員に仮処分・民事訴訟を起こされた場合はすぐに弁護士に相談を!
従業員から仮処分・民事訴訟を起こされた場合、労使トラブルがある程度成熟した段階と言えますので、すぐに対応が必要です。
放置すると取り返しの付かないことになります。病気に例えるなら、緊急手術の必要がある段階だと考えて下さい。
したがって、従業員から労働審判を起こされた場合は、すぐに労働事件を得意とする弁護士に緊急相談するべきでしょう。
「労働問題総合相談サイト」の弁護士は、会社側の労働事件対応経験が豊富であるのみならず、弁護士会・裁判所等で労働事件の研修講師を数多く勤めている等、労働事件の解決方法を熟知しています。
答弁書・準備書面作成、証拠作成、期日前準備、期日対応を全て万全にサポートします。
会社にとって主張すべき事実を主張し、適切な解決を行うには労働弁護士の力が不可欠です。
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