病院・クリニック等の医療業で労務問題に強い弁護士をお探しの経営者の方へ | 弁護士による企業のための労務問題相談

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病院・クリニック等の医療業で労務問題に強い弁護士をお探しの経営者の方へ

1 医療業界の企業の皆様へ

近年、我が国の医療機関は、診療報酬の改定への対応や、消費税の増税(医療機関では仕入れに対して消費税を支払いますが、診療報酬は非課税のため医療機関が消費税を負担している)、地域医療構想・診療報酬誘導に基づく機能分化への対応、働き方改革による生産性向上・人材確保の必要性など、様々な経営課題に直面しております。

経営環境は厳しく、一般社団法人日本病院会、公益財団法人全日本病院協会、一般社団法人日本医療法人協会の「2019年度病院経営定期調査」によれば、2018年度では43・1%の病院で経常利益が赤字となっており、施設整備の予算縮小や、医療機関の統合・再編なども検討されている状況の中でコロナ禍が発生し、医療機関が更なる課題に直面することとなりました。

医療業界には、労務・法務面で次のような特有の問題があります。

多様な就業形態と労働条件

医療機関では複数の専門職が協力してサービスを提供するため個々の就業形態や労働条件が多様なものになりがちです。そのうえ、診療報酬・介護報酬制度等で要求される人員配置等を充たした体制を日々整えなければならず、複雑で高度な労務管理が求められます。

その一方で、必ずしも労務関係に詳しいとは言えない医療専門職が現場の労務管理を担当することが多く、労務トラブルが発生しやすい土壌があるといえます。

2024年の医師の働き方改革

特に、病院・医療機関で働く医師の労働時間が長時間になることは長年の問題となってきていました。

そうしたことから、労働基準法では時間外労働の上限は月45時間を基本とすることとなりましたが、医師についてこの上限を遵守することは現実的ではないため、当面の間は適用猶予とされていました。

2024年4月からは適用猶予が終わることとなり、医師の労働時間にも上限規制がされることとなりました。ただ、一般的な月45時間の上限はやはり困難であることから、上限は以下の通り医療機関の分類に応じて異なることとされました。

≪分類≫

A水準:医業に従事する一般の医師(診療従事勤務医)

B水準(地域医療確保暫定特例水準):救急医療など特に緊急性の高い医療を提供する医療機関
連携B水準(〃):医師の派遣を通じて、地域の医療提供体制を確保するために必要な役割を担う医療機関 (地域医療確保のために派遣され、通算で長時間労働が必要となる医師)

C-1水準(集中的技能向上水準):臨床研修医・専攻医が、研修プログラムに沿って基礎的な技能や能力を修得する際に適用する(本人がプログラムを選択する)
C-2水準(集中的技能向上水準):医籍登録後の臨床従事6年目以降の者が、高度技能の育成が公益 上必要な分野について、指定された医療機関で診療に従事する際に適用する(本人の発意により計画を作成し、医療機関が審査組織に承認申請をする)  

上記のうち、BもしくはC水準の上限規制を適用するには、都道府県から特定労務管理対象機関で あることの指定を受けることが必要です。

≪分類≫ 時間外労働の上限時間(特別条項) 面接指導の
実施(注1)
休息時間の
確保(注1)
A水準 ・年960時間以内(休日労働含む)
・月100時間未満(休日労働含む)
ただし、例外あり
義務 努力義務
B水準(B、連携B) ・年1,860時間以内(休日労働含む)(注2)
・月100時間未満(休日労働含む)
ただし、例外あり
義務 義務
C水準(C-1、C-2) ・年1,860時間以内(休日労働含む)
・月100時間未満(休日労働含む)
ただし、例外あり
義務 義務  

(注1)いずれの水準についても、月の上限時間である100時間以上となる場合には、「面接指導」と「就業上の措置」を実施することが義務付けられており、B水準およびC水準では、これに加えて「健康確保措置」を実施することが義務付けられます(A水準では努力義務となります)。

(注2)連携B水準の場合は、個々の医療機関における時間外労働の上限は、年960時間以下(休日労働含む)とされています。

専門的な紛争対応

患者からのクレーム処理や医事紛争対応においては、高度な専門知識が求められる場合が多く慎重な対応が必要です。

特に医療訴訟の分野では、その判断において特有の判例法理が展開され、訴訟手続や審理においても特別な運用がなされるなど、医学的にも法的にも高度な専門性が求められます。

未収金問題

1医療機関当たりの未収金額は平成28年度末で約1,522万円にのぼっており医療機関の経営を圧迫する1つの原因となっています。この問題は、応召義務や外国人患者の増加など複合的な要因により生じていますが、健全な経営のためには適切に債権回収の対応を行うことが必須です。

そのほか医療業界に特有のリスク

社会保障制度の維持が大きな課題となっている今日では、目まぐるしく変化する制度に対応していく必要があり、これが経営上の大きなリスクにもなっています。

また、個別指導や監査をはじめとする厚生行政についても対応を誤れば多額の返還金を求められたり保険資格等の取消し処分を受けたりするなど極めて深刻な状況に陥ることがあり、平時からの適切な準備が必須です。

2 病院・クリニック(医療業界)によくある労務トラブル(リスク)とその実態

① 長時間労働(未払残業代)

上記のとおり、長時間労働による未払残業代請求のトラブルは多く、訴訟になる事案も多いです。これは医師だけではなく、看護師にも起きがちなトラブルです。

② ハラスメント問題

病院・クリニック(医療業界)では、医師・看護師等の専門職が中心的な業務を担うという状況にあります。事実上、大きな力関係に優劣が出てしまうことがあり、現場でのハラスメントも比較的多く生じる傾向にあります。

パワハラ防止法等に則り、窓口体制・事実調査等を的確に行ってハラスメントのない組織を作っていく必要があります。

③ 問題社員対応

医師・看護師について、能力その他勤務態度の問題によって問題社員対応が必要となるケースも多いところです。適切な指導・注意対応は不可欠です。

④ 人材確保の問題

医師・看護師・歯科衛生士・薬剤師等の専門職は人材が不足しているため、その採用も難しいのが実態です。そのために、焦った人材登用をしてしまうことでトラブルが起きている病院、クリニック、歯科医院、薬局等も見られます。

3 労務応援コンサルティングの勧め

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① 医療・介護・薬局経営業の特性に応じた日常の労務・法務アドバイス
② 医療・介護・薬局経営業に特化した雇用契約書・就業規則等の整備
③ 医療・介護・薬局経営業特有の書面・契約関係についてのチェック・書面作成対応
④ 医療・介護・薬局経営業に起きる紛争・トラブルを予防するための制度作り
⑤ 医療・介護・薬局経営業に起きる労使紛争の迅速な代理対応サポート

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