弁護士法人戸田労務経営です。
先日新型コロナウイルス感染症の影響に対する各種の公的支援策についてご紹介しましたが、今回は、その後追加・変更された支援策のうち、特に給付金・補助金に着目してご紹介したいと思います。
この国家的試練を乗り越えるため、利用できる制度は上手に利用しつつ感染拡大を少しでも抑えていきましょう。
(4月14日時点の情報となりますのでご注意ください)
雇用調整助成金の特例措置(変更)の活用
まずは雇用調整助成金です。
従前よりある助成金ですが、売上減少がある際に、従業員の雇用を維持することを前提として受給できる助成金です。
雇用調整助成金の申請手続が大幅に簡素化されました。
助成金支給までの期間も従来2ヶ月ほどかかっていたところを1ヶ月ほどに短縮させる見込みです。支給要件も従前のものより大きく緩和されていますので、休業する場合には積極的に活用を検討したい助成金です。
特に、最近は労働弁護団やユニオンから、整理解雇を検討する際にはこの雇用調整助成金の受給を検討すべきとの主張がされることも多いです。安易に人員削減をする前に受給できないかどうかを検討することは必須かと思います。
ただ、受給のためには事業所自体が労働基準法などを完全に遵守していることが前提にされているということもあり、労務管理が不十分な中小企業においては申請自体が難航するケースもあるという話も聞いています。
対象事業者:直近1ヶ月の売上等が前年同月比5%以上減少した事業主 手続要件:休業に関する労使協定を締結する等(詳しくは厚生労働省HP) 助成率:中小企業4/5、大企業2/3(解雇を伴わない場合:中小9/10、大3/4) 厚生労働省:雇用調整助成金 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html 雇用調整助成金の申請書類を簡素化します https://www.mhlw.go.jp/content/000620880.pdf 「雇用調整助成金ガイドブック(簡易版)令和2年4月13日現在」 |
持続化給付金(新設)
新型コロナウイルス感染症拡大により特に大きな影響を受ける事業者に対して、事業の継続を下支えして再起の糧とするために給付されるものです。
詳細は4月最終週を目途に確定・公表される予定です。
対象事業者:前年同月比50%以上の売上減少 給付額:昨年度の売上からの減少分(法人上限200万円、個人事業主上限100万円) 経済産業省:持続化給付金に関するよくあるお問合せ |
生産性革命推進事業(変更)
令和二年度補正予算により、IT導入補助金、ものづくり・商業・サービス補助金、小規模事業者持続化補助金の補助率・補助上限が引き上げされる予定になっています。
中小企業基盤整備機構 |
生活支援臨時給付金(仮称・新設)
企業向けではなく個人向けの給付金になります。新型コロナウイルス感染症の影響で休業等により収入が減少した世帯の生活維持のための臨時支援を目的とした給付金です。世帯主の月間収入が住民税非課税水準となる世帯が対象です。
給付額:1世帯あたり30万円 総務省:生活支援臨時給付金(仮称) https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/gyoumukanri_sonota/covid-19/kyufukin.html |