労働弁護士の戸田です。
平成もいよいよ終わり、令和を迎えました。
新元号でも変わらずよろしくお願いいたします。
さて、同一労働同一賃金の対応も来年2020年4月(令和2年4月)に迫っています。
昨年から注目の集まったこのテーマですが、最近は少し議論が落ち着いたところがありますが・・・現場では対応に追われています。
企業の皆様、顧問先の社労士の皆様からも対応についてご相談を多数受けています。
少し前になりますが、千葉県経営者協会主催「同一労働同一賃金セミナー」を2回に渡って実施しました。
千葉県最東端の銚子での開催(2月6日)と千葉県経営者協会本部(3月7日)での2回に渡る開催でした。
合計50社超の60名以上のご参加をいただきました。
千葉県経営者協会本部で実施したセミナーでは、特に具体的な対応方法をお話ししてきました。
同一労働同一賃金については、平成30年6月に出されたハマキョウレックス事件、長澤運輸事件の量事件の分析・解説はほぼ出揃っています。
平成30年12月には同一労働同一賃金ガイドラインが発表されていますし、平成31年1月には厚生労働省発行の同一労働同一賃金のパンフレットも公表されている状況です。
今考えるべきことは、具体的な取り組み方法です。
これは、企業の人事組織の見直しや賃金制度の改革に踏み込む必要があります。
賃金制度改革は、企業の人件費原資を考慮しつつ、人事評価制度の抜本的見直しをも視野に入れる必要があります。
パートタイム労働者・有期雇用労働者を含めた矛盾のない賃金制度を作っていく必要があります。
従来型給与の年齢給や勤続給中心の「人」基準の賃金制度ではもはや対応できません。
「仕事」基準で、能力や役割を中心に据えた賃金制度を作り上げていくことが必要です。
同一労働同一賃金の対応は、小手先で正社員の手当カット等では対応できません。
そして、制度の見直しには痛みを伴う。
従業員へのしっかりとした説明を行い、就業規則・賃金規程が不利益変更になるとしても法的に問題のない制度改革を行う必要がありますね。
制度改革は1年がかり!令和を機にすぐにスタートしましょう!