1 飲食業界の企業の皆様へ(業界の基本情報)
外食産業市場は、2020年に新型コロナウイルス感染拡大の影響を大いに受け低迷しましたが、2021年からはゆるやかに回復し、23兆円前後の規模で推移しているものの、人口減少による需要の減少、国際情勢等による食材等の仕入価格の上昇、コンビニエンスストア等の中食市場との競合などから、競争が激化する傾向にあります。
もっとも、「食べる」ということは人が生きる上で必要不可欠な行為であり決して需要がなくなることはなく、近年は食の安心・安全や健康志向への消費者意識の高まりや個人のライフスタイルやニーズの細分化を背景に常に新たなビジネスチャンスが生まれています。
労務管理
飲食業はいわゆる労働集約型産業の典型ともいわれ、サービスの提供が従業員の労働力によるところが大きく、事業所に合った適切な労務管理を行うことが必須となります。
長時間になりがちな労働時間や接客サービスによる精神的な負荷、店舗の管理職の業務過多や管理職性が論点となるなど、多種多様な労務トラブルが発生しやすい業態でもあり、近年では従業員によるSNSへの不適切な投稿が社会問題になるなど、従業員の適切な管理体制が必要です。
問題顧客対応
過剰かつ過度な要求を行うカスタマーハラスメントやネット予約の普及によるキャンセル・ノーショー(予約客が来店しないこと)の増加が見られ、それらの問題ある顧客に対して適切に対応しなければ、従業員の士気の低下や店舗運営上多大な損害が生じるケースもあります。
また、近年は顧客が迷惑行為をSNSに投稿することも大きな問題となりました。また、そこまではいかなくとも、ネット上で言われのない誹謗中傷を書き込まれることもあります。
会社の信用・名誉を守るべく、こうした顧客の問題行動に対しては、発信者情報開示を請求する等を行ったり、場合によっては損害賠償を請求するなど、毅然とした対応が求められます。
そのほか飲食業特有のリスク
食品衛生法などの公的規制への対応が必須であり、賃貸物件の契約トラブル、近隣トラブルなども生じやすく、幅広い法的リスクに対応する必要があります。
2 飲食業界によくあるトラブル
① 残業代のトラブル
飲食業界の長時間労働トラブルは新型コロナウイルスの蔓延による営業時間の短縮によって一時的に緩和された印象ですが、ある程度その影響も落ち着いています。未だに長時間労働の問題は無視できないところです。
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② 従業員の採用問題
人材確保が難しいのも飲食業界のかねてからの課題です。採用においても慎重に人を見極めて、かつ労働条件をしっかりと取り決めていかないと後々のトラブルに発展します。
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③ 人件費削減の対応
新型コロナウイルスの影響もあり、従前よりもシビアな経営になった企業を多く目にします。いざという場面では人件費を削減することも含めて検討が必要になります。
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④ ハラスメントの問題
パワーハラスメント・セクシャルハラスメントのいずれも多い業種です。先輩後輩関係のできる若いアルバイトとの間でもトラブルが発生しすいので、しっかりとした体制を作っておく必要があります。
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3 労務応援コンサルティングの勧め
弁護士法人戸田労務経営では、飲食業の労務の全分野に渡るトータルサポートを実現します。
① 飲食業の特性に応じた日常の労務・法務アドバイス
② 飲食業に特化した雇用契約書・就業規則等の整備
③ 飲食業特有の書面・契約関係についてのチェック・書面作成対応
④ 飲食業に起きる紛争・トラブルを予防するための制度作り
⑤ 飲食業に起きる労使紛争の迅速な代理対応サポート